泣ける・切なくて悲しいピアノ曲12選
泣きたい時や、悲しみの感情に浸りたい時に弾きたい12曲を選出。
by Michael Lane
つらい、泣きたい気分の時は誰でもあるもの。美しいピアノ曲の中には、暗さや哀しみをイメージして作曲されたものがあります。気分が落ち込んだ時は、あえて悲しい音楽を演奏することで心が癒される事もありますよね。
あなたの憂鬱な気分に寄り添ってくれるメランコリックで切ないピアノ曲を、ジャンルを超えて12曲ご紹介します。もちろん全ての曲はflowkeyアプリで練習できます。
ジムノペディ 第1番 – サティ
穏やかで哀愁を帯びたこの曲の楽譜には、作曲家サティによる「Lent et Douloureux / ゆっくりとした痛みを伴う」という演奏指示が書かれています。ですが曲全体で見ると、最後には楽観的な雰囲気が漂っています。
この「ジムノペディ」という曲名の由来には、様々な説があります。「ギュムノパイディア」と言う古代ギリシアの祭典をイメージしたと言う説もありますが、サティ自身はフロベールの小説に着想を得たと語っています。またこの曲は当時ラトゥールの詩を添えてに出版され、その詩は音楽を反映した夢のようなイメージが描かれています:「炎の中で琥珀色の原子が光り輝き、サラバンド(3拍子のスペインの優雅な踊り)とギュムノパイディアが交わる」
月の光 – ドビュッシー
クロード・ドビュッシーの『ベルガマスク組曲』の第3曲として書かれたこの曲、フランス語の原題は「Clair de Lune」。ドビュッシーのピアノ独奏曲の中でも特に有名な作品で、夜空の月を見上げているような、切なく穏やかな気持ちにさせてくれます。
シンプルなピアニシモで始まり、徐々に表情豊かな早い指の動きへと変化していきます。荘厳で感動的に発展し、穏やかなラストへと続きます。
ハレルヤ – レナード・コーエン
ボブ・ディランをはじめとする数々のアーティストにインスピレーションを与え続けた名曲「ハレルヤ」。カナダのシンガーソングライター、レナード・コーエンが生み出したオリジナルバージョンは、聖書の物語を引用した難解な音楽詩でした。様々なカバーヴァージョンを聞いてみると、宗教的でもあり同時に浮世の冒涜が入り混じった、この曲が持つ様々な顔が伺い知れます。ピアノバージョンでは、この物悲しいメロディーを存分に味わってみてください。
サウンド・オブ・サイレンス / The Sound of Silence – サイモン&ガーファンクル
映画『卒業』の挿入歌としても有名なこの曲は、ポール・サイモンが21歳の時に書いたもの。インスピレーションを高めるため、電気を消したバスルームに閉じこもり、音もなく、水が流れているだけだった時にこの曲が浮かんだそうです。一人で楽器に向かうときの孤独で完璧な瞬間を見事にとらえたこの曲は、みなさんの毎日のピアノ練習にも通じるものがあるのではないでしょうか。
消えゆく太陽 / Ain’t No Sunshine – ビル・ウィザース
恋人が去ってゆく悲しみを歌ったこの曲は、世代を超えて孤独と喪失感の賛歌となりました。ビル・ウィザースはこの曲のインスピレーションについて「人生においては、特に悲しい思い出さえもが恋しくなる時がある」と語っています。ある程度大人になると、この言葉に共感できるような気がします。
なお、この曲はビル・ウィザースが33歳の時のデビュー・アルバムからのファースト・シングル。遅咲きのアーティストのこの一曲は、大人になってからピアノを始めた方にとっても励みになるかもしれませんね。
イマジン / Imagine – ジョン・レノン
ジョン・レノンが、妻のオノ・ヨーコとの共作であるこの曲で目指していたのは「ポジティブな祈り」。この平和への賛歌は「世界に対立や憎悪があったとしても、私たちがより良い世界を思い描いて共有すれば、実現できる」というメッセージを伝えています。メロディーの最初の数音から感じられる高揚感は、まさにこの曲の醍醐味。
見つめていたい – ポリス
イギリスのロックバンド、ポリスの代表曲。シンプルなメロディと分散和音を繰り返す独特のモチーフが相まった、美しい一曲。ロマンチックな愛の告白の曲に思えますが、スティングによると、恋が終わった後に感じる抑えきれない嫉妬と執着を表現しているそう。そう聞くと少し怖いようにも感じますが、ある意味では恋愛のリアルな面を描いているとも言えます。
ティアーズ・イン・ヘヴン – エリック・クラプトン
わずか1年の間に、幼い息子コナー、友人であるギタリストのスティーヴィー・レイ・ヴォーン、そしてサポートスタッフ2人を相次いで失ったクラプトン。彼は自らの悲しみを表現し、自分だけでなく他の人にも生きる力を与えるため、この曲を書きました。「僕は強くならないと / だって分かっているから / 僕はここ天国の住人じゃないってこと」という歌詞は、たとえ大事なものを失っても、あきらめず前に進み続ける力を与えてくれます。
Nothing Else Matters – メタリカ
ヘヴィメタルを代表するメタリカのこの曲、初めて聞いた方は意外に思うかもしれません。でも一度聞けば、この曲は哀愁漂うメロディを持つ、力強いロック・バラードだと納得できるはず。ヴォーカルのジェイムズ・アラン・ヘットフィールドは、ガールフレンドとの遠距離電話を題材にこの曲を書きました。その冒頭は「どんなに遠く離れていても、君のそばにいる(So close, no matter how far)」から始まります。
Let Her Go – パッセンジャー
「彼女を手放す(let her go)」というタイトルが、この曲の全てを物語っています。この曲は、失恋の心の痛みを、その時は感謝できなかったかもしれないけど、今では何よりも恋しくなってしまうような些細なことも含めて、耐え難いほど詳細に捉えています。「そしてあなたは彼女を手放す(and you let her go)」という歌詞を繰り返すことで、メッセージは最終的にはポジティブなものになり、彼女(あるいは彼、あるいは彼ら)を忘れる事ができます。
River Flows in You – イルマ
作曲者である韓国の天才ピアニスト、イルマはこの曲を「心の奥底から感情を呼び起こすことで始まり、終わりを迎える」と表現しています。哀しくも優美で、最後にはより強く、感動的な場所へと発展していくこの曲は、愛とは何か、それが本当に何を意味しているのかを伝えてくれます。
Call Out My Name – ザ・ウィークエンド
2018年リリースのこの曲は、「あなたに恋をしたのは間違いだった(falling for you was my mistake)」という歌詞で始まる切ないナンバー。失恋は、誰もが経験する悲しい現実ですが、この曲は、それでも前に進んでいくんだという前向きな気持ちで終わります。「私の名前を呼んで、そして私は自分の道を行く(Call out my name, and I’ll be on my way)」。次の道を歩んでいくことで、傷ついた心が癒される。これにはきっと誰もが共感できるはず。
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